今年読んで、よかった本

どうも、下田です。

今年も終わりだ。3月くらいから思い描いていた2020年とはかけ離れてしまって、やばいやばいと生きていたら、2020年が終わった。2021年もきっとすぐ終わるんだろうな。こうやって毎年毎年年末に年の終わりを憂うのはそろそろやめたいなと思いつつ(あと何回繰り返すんだって思う)、でも区切りあるというのは何かを振り返るいい機会だなとも思い、12月を過ごしています。

なんか今年やってきたこととか、来年の意気込みとかを書きたいなとも思ったけど、それはだいたい自分にとっては10YCそのものでしかないので、そんなことは10YCのブログで書こうと思っている。

そうなってくると個人的になかなか書くこともないから、このまま年越してもいいかなとおもうのだけど、1年に1回くらいはこのブログを更新しておきたいなとも思っているので、何かを書くことにしたい。前置きは長くなる。題名に関して触れるのはまだ先になる。早く紹介しろよと思われるかもしれないが、自分にとって書くということはなぜ書くのかが大事で、何を書くのかはあんまり大事なわけではないので、こうやってうだうだとだべっている。

2020年は他人の自分からは見えない思案というものについて考える日が多かったような気がする。なぜあの人はこういう行動をしたのか、なぜあの人はあんな発言をしたのか、なぜある言葉をそう汲み取ったのか、なぜ座ってトイレをしないのか。

なんでそんなことを考え始めたかを考えてみると、今年はこんな状況になったので、一人ひとりが自分、そして自分の周りの人やモノを守るための防御態勢を急激に作らないといけない状況になったのが影響していると思う。そういう状況下の中で、客観的な意見よりも主観的な意見が、理性的な発言よりも感情的な発言が増えてきたような気がしていて、表面的な言葉の向こう側にあるものをできるだけ、想像して受け取らないと整理が付かない状態になってしまうんじゃないかという危惧があったからだ。

その背景には、インターネットと触れ合う時間が増えたというのもあるような気がしている。コロナ前では当たり前だった、リアルのコミュニケーションの時間も少なくなり、パソコンやスマートフォンに向かう時間が多くなった。人と深く話す機会は減り、誰かが発した表面的な言葉を受け取る機会は格段に増えた。TwitterFacebookを開けば何かを暗に伝えているテキストや怒っている姿、インターネットニュースも自分たちの有利な部分だけを切り取ったものが目の前を過ぎていく。それはどれも表面的で断片的なもの。そのまま受け取り、右往左往して決断ができないことも3,4,5月くらいはかなりあった。だから、ちゃんと行動の向こう側を想像することや推し量ることを大切にしようと思ったのかもしれない。深く知ると、行動ほど違いがなかったりする。

そうやって過ごしていくうちに、行動そのものを知るよりも、行動に至るまでの思案の過程を知るほうが大切な気がしてきた。行動するまでに人は、いろんなことを考えている。こっちのほうがいいんじゃないか、本当にいいのか、他の人にも聞いてみよう、だったらこっちのほうがいいのかもしれない。そうやっていろんなことを考え、決断した結果、行動が起きている。でもその考えてきたことは説明しない限り、その背景は相手には伝わらない(伝えたところでわからないかもしれないし、伝えられる量でもないかもしれない)。だから今年は、そんなわざわざ人に聴かれないと喋らないことに対して、思案の過程とかを聴いてみることにした。いろんな人の行動の向こう側を知ることで、結構面白くなるなと思った1年だった。特にゲストを呼んで話を聴くPodcastとかは楽しかった。「なぜあのとき頭の中にあった選択肢のうち、別の選択肢を選ばず、こっちの選択肢を選んだ、、、?」

そんなことを考えていた1年は、どこにも行けないし、行く気分じゃなかったこともあり、家にいる時間が増えたので、それに比例して読書する時間も増えた。だから、何か書くなら呼んだ本のことにでもしようということで、書いてみようと思う。ということで本題。

読んでよかった本①:反脆弱性

ダントツNo1。去年から持ってたんだけど、難しすぎて全然読めなくて。今年こんなことが起きたからこそ、すらすら読めた気がする。なぜ人はずっと続いていることが、これからも続くと信じてしまうのか?を教えてくれる本。すごくおすすめだけど、読破するには気持ちが必要な本。

 

 

読んでよかった本②:Google×スタンフォード NO FLOP! 失敗できない人の失敗しない技術

to Cのプロダクト作成の仕事をやっていると、開発前から製品化するまで、そして製品化した後もいろんなアドバイスをもらうのですが、そのアドバイス自体に目を向けるんではなくて、実際の行動(事実)に目を向けてみよう!みたいな本だった気がする。結構、心に残るのって定性的な意見だったりするので、ちゃんと整理して考えるようにしようと思った本。

Google×スタンフォード NO FLOP!  失敗できない人の失敗しない技術

Google×スタンフォード NO FLOP! 失敗できない人の失敗しない技術

 

 

読んでよかった本③:国家はなぜ衰退するのか

 国家の話をしてるけど、ずっと会社に置き換えて読んでました。上の位の人が下の位の人から、過度に収奪するとインセンティブがなくなって、衰退していくよね、的な話です。途中から、今の日本もそうかもなって思いながら読んでました。仕事上で上の立場にいる人は読んでみたらいいと思います。人間には上も下もないけどね。

 

読んでよかった本④:小さなチーム、大きな仕事

大きければ大きいほど、インパクトが出るかといえばそうではなくて。人が多くなれば、それなりコミュニケーションを取るのが難しくなっていくし、考え方の統率も取れなくなっていくこともあるよね(という話だった気がする)。まあチームが大きい小さい、会社が大きい小さいよりも、でっかい仕事を成し遂げるってことのほうが大事だよね。

 

読んでよかった本⑤:参加型社会宣言 ──22世紀のためのコンセプト・ノート

 アイデアを湧き立たせる本。読み返したいんだけど、本がどっかにいって、見つからない。そもそもの考え方的な話から、実際のアイデアも載っていて、学んで形にするまで一緒になってたので、頭に入るのが早かった。読んだ当初は参考に、施策考えてたりしました。

 

読んでよかった本⑥:暇と退屈の倫理学

 木村石鹸の木村さんが青山ブックセンターのおすすめする本で選んでた一冊。暇と退屈の違いとか、なんで人は退屈だと感じるのかとか、ロジックを立ててさまざまな角度から検証していく本。今年はこんな風に同じような言葉だけど、深く掘ると違うよねっていうことに対して、興味を持つようになった年だった気がする。

暇と退屈の倫理学 増補新版 (homo Viator)

暇と退屈の倫理学 増補新版 (homo Viator)

 

 読んでよかった本⑦:表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

今年は結構、在宅が多くなってイヤホン付けながら仕事をしていたので、耳の時間って余ってるなと感じました。音楽を聴いているのもいいんだけど、他になんか聴けるものないかなあと思っていたら、ラジオにハマりました。いろんなラジオを聴いているけど、一番ハマってるのはオードリーのANNです。若林さんが書いた本は、なんか人の心をうまく捉えているというか、上辺じゃないというか、人間らしさを感じさせてくれる一冊でした。旅に行きたくなる本。

読んでよかった本⑧:三体

これも在宅期間中よく聴いていたPodcastPOP LIFE The:Podcastで紹介されていたの聴いて、読んでみた本。SF小説ってあまり読まないんだけど、新しい科学の知識に触れられて面白かった。漫画とか小説とか、話自体が面白くて、なおかつ今まで触れてこなかった知識も手に入るのいいなって思ったな。ビジネス本ばっか読んでちゃダメだなって反省した。

三体

三体

 

 

 ということで8冊。今年は、ビジネス本とかHow To本とか普段の生活に即直結していく本よりも、生きていくための教養を得たいという目線で本を読んでいたので、カルチャー、小説、雑誌、エッセイなどいろんなタイプの文章を読んだ年でした。来年も人生の幅を広げていくためにいろんな本を読んでいこうと思っています。

それでは、2020年もみなさまありがとうございました!来年もよろしくお願いいたします。