10YCが実現したい未来。

どうも、下田(@shotarouzaemon)です。

 

自分で会社をはじめて、はや2ヶ月と少しが経ちました。

相も変わらず工場を訪問したり、新商品を考えたりしながら、初めて自分も関わってECサイトを作ったり、そのコンテンツの記事を慣れないながら書いたりしています。

ぜひ一度ご覧くださいませ。

10yc.jp

 

今日は、12月になったことだし、10YCが実現したい世界について書こうと思います。

まず、立ち上げの背景

僕らは今回、「着る人も作る人も豊かにする」というコンセプト持って、10YCというブランドを立ち上げました。

このブランドを立ち上げようと思った背景には、ファストファッション繁栄の世の中で大量生産大量消費の安価なものづくりやブランド側の価格競争による素材・縫製工賃の叩き付けに嫌気が指してきたこと、今までのアパレルブランドの販売方法などに不信感を抱いていたことがあります。

今まで衣料品を扱う会社の中で一番稼いでいたのはアパレルブランドです。アパレルブランドではおおよそ、販売価格の20~30%のコストで商品が作られています。例えば、3000円のTシャツであれば600~900円の間で作られ、それを販売した後に残る2000円以上がブランドの利益となります。その利益から店舗の家賃や人件費を支払っているわけです。

しかし、数年前より百貨店ブランドを始め、今まで栄えてきたアパレルブランドが軒並み業績を落とし、その結果、業界全体がだれも触りたくない腐った死体のように扱われるようになってきました。でも、なんとなくわかる気がします。なぜかと言うと、自分自身「服を買わなくなった」からです。

服を買わなくなった理由

私は新卒からアパレルブランドの生産管理として4年半働いてきました。その中で、どうしても納得が行くことができなかったのは、「売る」ことばかり考えている会社の方向性でした(もちろん、売らなくては社員が生きていけないのは分かっています)。

でも、ものづくりをする前に、そもそも「この値段で作って欲しい」とか「こんなに高いのは使えない」、「もう少しコスト安くならないの?」なんてことばかり言われる環境ではお客様に喜ばれる商品は作ることはできないと思いました。

加えて、その生産工場との価格交渉をしたあげく、販売開始から間もない頃にセールで30%OFF、50%OFFなんてされた時には泣きそうになります。実際、その中の数%でもものづくりに還元できれば、さらに良い商品をお客さんに届けることができたし、技術のある生産者の方々と取り組むことだってできたからです(生産者は何円というコスト交渉をしています)。

そういう商品を「売る」人たちがお客さんのことでも、生産者の人たちのことでもなく、売っている自分たちのことだけを考えていることを分かってきたから服を買わなくなりました。

だから、「着る人も作る人も豊かにできる方法を探そう」って思ったんです。

今までのやり方を変えてやってみる

着る人も作る人も豊かにするなんて「そんな虫の良い話があるわけない」と思う方もいると思います(僕も実際やってみなくてはわからないというのが正直な想いです)。

でも、今まで当然とされてきたことを辞めていくことで、できるのではないかと思います。

大きなところで2つ挙げられます。

  1. 商社や委託先に全部任せるのを辞めた。=作り方の改善
  2. 店舗を持つこととセールをすることを辞めた。=売り方の改善

商社や委託先に全部任せるのを辞めた。=作り方の改善

今までのアパレルブランドって、商社やアパレル生産会社の人たちに写真を見せて「これ作っといて」ということもざらにありました。つまり、全部委託先に丸投げすることで楽をしようとしてきたわけです(楽をしようとするのにも理由があり、ブランドは1シーズン【春夏、秋冬など】に何百もの商品を店舗に撒いていかないといけないので、一つ一つの商品にそんな時間をかけていられない。)。

つまり、ブランド→商社→海外生産会社→委託工場という流れになり、物が作られる間にいくつかの会社が入ることになります。いくつかの会社はその仕事で成り立っているわけなので、もちろん利益をとります(そこには人件費以外に今まで培ってきたノウハウや様々な工場を知っているネットワークも入ります)。

そうするとこんな感じになります。

【従来のアパレル】

ブランド←商社(利益20%とる)←海外生産会社(利益20%とる)←委託工場(利益20%とる)

金額でいうとこんな感じです。

ブランド)900円でTシャツ欲しい!

ブランド(900円)←商社(750円:利益20%とる)←海外生産会社(624円:利益20%とる)←委託工場(520円:利益20%とる)

会社を通すだけで380円が取られるし、3000円のTシャツのコストは900円だったと思ったら、実際商品かかっているコストは520円だったみたいなことになっています(原価率17%程度)。

僕らは、その仕組みを辞めました。

【10YCの場合】

10YC←生産工場(利益20%とる)という流れにしました。

 

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10YC)900円でTシャツ欲しい!

10YC(900円)←生産工場(750円:利益20%とる)

ちゃんとものづくりにかかるお金を増やしていけるような仕組みにして、中間マージンを排除することを実現しました。

でも僕達がそれ以上に大切だと思ったことは、直接工場さんとやり取りすることによって、作っている人たちの顔が見えるようになったこと。

誰がどこでどうやって作っているのかを知れるようになったことで、安心感も増し、さらには責任感も増します。それに加えてものづくりの想いを直接聞くことができて、それをお客さんに直接説明できるできるようになりました。

だから、10YCは服作り関わった人たちの想いをしっかり紡いで伝えていくことができます。

店舗を持つこととセールをすること辞めた。=売り方の改善

僕らは店舗を持たず、衣料品を販売していきます。つまり、従来かかっていた店舗運営にかかるお金(人件費や家賃)をかけることなく、ものづくりをすることができます。

店舗にかかるお金を減らした結果、何をするのかというと、そのお金を商品に投資します。また、今までのブランドはセールを見込んだ値引率を含め、原価率を設定していましたが、10YCはセールをしないというポリシーを持つことで、ぎりぎりまで原価率を上げるようにしました。

そうすることで、今まで20~30%の原価率だった従来のアパレルとは違い、10YCは原価率を50%程度まで上げることできます。その結果、同じ販売価格でもより質の高いものをお客さんに届けることを可能にしました。

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これをやることによって大事なことが実現されます。それは、今まで高いという理由で受注を減らされてきた技術を持っている生産者の方々と取引ができるということです。

今まではMADE IN JAPANは品質はいいけど高いと思われていたのを、売る仕組みを変えていくことで今までと同じような価格で品質の高い商品を作ることを可能にしました。

だから着る人も作る人も豊かにできる。

僕らが特に変えていこうと思ったのは売り方の部分です。海外で大量生産をし、大量在庫をする。大量生産をするのは自分たちの責任なのに、値引きや在庫を残すことを見込んだ原価率の設定をする。それは自分たちの手法は自信がない現れではないでしょうか。

10YCは在庫が残ることやセールをすることは考えません。だから、品質を高めながら、価格を抑えることができるのです。

今までのアパレル業界では当たり前だったことを辞めていくことで、

  • 10YCは生産者の見える化、価格の見える化をすることで、お客さんが持っている洋服への不信感に真摯に向き合っていきます。
  • 10YCはお客さんはもちろん、生産者の方々と持続可能なものづくりのサイクルの仕組みを実現します。
  • 10YCは着る人は作った人のことを想いながら洋服を着て、作る人は着ている人のことを想いながらもものづくりをする世の中を作ります。
  • 10YCは着る人も作る人も豊かにする、未来のものづくりを実現します。

10YC | 10YCは透明性、品質、持続性、この3つにこだわって、着る人も作る人も豊かにします。

それでは、また。